不動産と相続の基本~大切な資産を次の世代へつなぐために
2025/06/20
いつもHRECをご愛顧いただき誠に御礼申し上げます。
東山区営業担当の橘新之介です。
京都市東山区で不動産を所有されている方にとって、「相続」は必ず意識しておくべき重要なテーマです。
不動産は、相続の場面で価値が大きい一方、分割しにくいという特徴があるため、適切な知識と準備が不可欠です。
本記事では、相続における基本事項を、不動産オーナーの視点でわかりやすくご説明します。
■ 相続人とは ― 法定相続人と代襲相続
相続人とは、亡くなった方(被相続人)の財産を受け継ぐ権利を持つ人のことをいいます。
法律で定められた相続人(法定相続人)には、以下のような順位があります。
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配偶者(常に相続人)
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子(直系卑属)
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直系尊属(親など)
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兄弟姉妹
被相続人に子がいる場合、配偶者と子が相続人となり、他の人は相続しません。
また、代襲相続(だいしゅうそうぞく)という制度も重要です。
これは、相続人となるはずだった子や兄弟姉妹が、被相続人より先に死亡していた場合に、その子(孫や甥・姪)が代わって相続人になる仕組みです。
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子が亡くなっていれば孫が代襲相続人に
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兄弟姉妹が亡くなっていればその子(甥・姪)が代襲相続人に
ただし、親には代襲相続は認められません。
■ 相続分とは ― 法定相続分と指定相続分
相続財産が複数の相続人に分配される場合、それぞれの取り分を「相続分」といいます。
◆ 法定相続分
法律で定められた相続分で、以下の通りです:
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配偶者と子:配偶者 1/2、子 1/2(複数いる場合は子で均等)
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配偶者と直系尊属(親):配偶者 2/3、親 1/3
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配偶者と兄弟姉妹:配偶者 3/4、兄弟姉妹 1/4
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◆ 指定相続分
被相続人が遺言で自由に指定できる相続分のことです。
たとえば「長男に全財産を相続させる」といった指定も可能で、この場合、法定相続分よりも指定が優先されます。
ただし、遺留分(後述)を侵害するような内容の場合、他の相続人から請求を受ける可能性があります。
◆相続分の対抗要件
不動産を相続した場合、ただ相続人の一人であるというだけでは、自分の持分(相続分)を他人に対して主張することはできません。
そのためには、「相続分の対抗要件」を備える必要があります。
具体的には、共有名義の不動産を相続によって取得した相続人が、その持分を他の相続人や第三者に対して主張するためには、登記を備えていなければならないとされています(民法第899条の2)。
◆ たとえば次のようなケース:
兄弟A・B・Cの3人が法定相続人で、親の不動産をそれぞれ1/3ずつ相続したとします。
このうち、AがBに内緒でCから持分を買い取って登記をした場合、BはAに対して「それは無効だ」と主張できるでしょうか?
→ Bが登記をしていなければ、Aに対して自分の1/3の権利を主張できない、つまり対抗できないというのが原則です。
このように、自分の相続持分を守るためにも、早めに登記をしておくことが非常に重要なのです。
◆ 相続分の登記に関する注意点:
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遺産分割協議が終わっていなくても、法定相続分による登記(共有登記)は可能
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逆に、協議がまとまっていないからと放置すると、第三者に対抗できなくなるリスクあり
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「とりあえず法定相続分で登記」→「あとで協議成立後に持分変更登記」という流れも検討可能
■ 相続の承認と放棄
相続人は、相続開始後に以下の3つから選択できます:
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単純承認:財産も債務もすべて無条件で引き継ぐ
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限定承認:相続財産の範囲内で債務を弁済し、残った分を相続
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相続放棄:相続自体を辞退し、最初から相続人でなかったことになる
限定承認・放棄は相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。
不動産には借入れや担保が付いているケースもあり、慎重な判断が求められます。
とくに空き家や収益物件を相続する場合は、維持費・税金・管理責任などの負担も考慮しましょう。
■ 遺言とは ― 3種類の遺言とそれぞれの特徴
被相続人が自分の死後に財産の分配方法を定める法的な手段が「遺言」です。
主に次の3種類があります:
1. 自筆証書遺言
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本人が全文・日付・氏名を自筆で書き、押印
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証人不要
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検認が必要
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2020年からは、財産目録のみパソコン等で作成も可能に
2. 公正証書遺言
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公証人が作成、内容を口述で伝える方式
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証人2名が必要
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検認不要
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最も確実でトラブルが少ない遺言方式。高齢の方や不動産を多く持つ方に推奨
3. 秘密証書遺言
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内容を秘密にしつつ、公証人によって存在を証明
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証人2名が必要
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検認が必要
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現在はあまり一般的に用いられない方式
■ 遺留分とは ― 最低限の取り分を守る制度
被相続人が遺言で全財産を特定の相続人に譲ると指定しても、他の相続人がまったく受け取れないのは不公平とされます。そこで、法律では「遺留分」という最低限の取り分が保障されています。
対象となるのは**配偶者・子・親(直系尊属)**で、兄弟姉妹には認められていません。
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遺留分の割合:法定相続分の 1/2
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遺留分侵害があれば「遺留分侵害額請求」が可能(2020年より金銭請求に一本化)
相続は「争族」とも言われるほど、相続人間の対立が起こりやすい分野です。
とくに不動産は現金のように分けにくいため、遺言の準備や相続対策は早めに行っておくのが理想です。
当社では、不動産の専門家として相続登記や売却、活用方法までトータルにご相談を承っております。
京都市東山区で不動産をお持ちの方、ご実家や空き家の相続をお考えの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
将来の安心のために、今できることをご一緒に考えてまいりましょう。
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